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最新記事【2007年10月01日】

一般的に、中古マンションを査定する際には、「取引事例比較法」という査定方法が用いられることが多いです。

先ず始めに、不動産の査定方法を整理しておくと、大きく以下の3つが挙げられます。

1)原価法:主に新築マンションの査定

2)取引事例比較法:主に中古マンションや一般の戸建て住宅の査定

3)収益還元法:賃貸収益の観点で査定されるものであり、主に投資目的の物件で使用される場合が多い

中古マンション査定で使用される取引事例比較法とは、査定を依頼したマンションとその周辺地域の似たような査定マンションの売買事例データを基に査定価格を算出する方法です。

実際に売買された事例マンションとの比較材料になる査定項目としては、「日当たり」「風通し」「眺め」などの立地条件に加えて、「築年数」「建物や室内の状況」「周辺環境」「駅や公共施設までの距離」などを加味して査定されることとなります。

通常、これらの項目で事例マンションと査定マンションの両方を総合的に比較することで、売却したいマンションの査定価格が算出されます。

中古マンションを売却する際、多くの場合不動産会社など仲介業者に依頼して、買い手を探して貰うこととなります。

詳細な中古マンションの査定価格を知りたい時には、物件の現地に行って査定する実地査定が必要になります。しかし、だいたいの査定価格が知りたいといった時や査定に来られる準備が出来ていないといった時もあります。

こういった時に便利なのが、不動産会社が実施する簡易査定です。簡易査定というのは、物件の現地での実地査定とは異なり、各種の条件を基に机上で概算の査定をする方法です。

実際に中古マンションを売りに出す時には、最終的にはマンションの実態や周辺環境などの実地査定が必要となりますが、「売るかどうかを、先ずは査定価格を知ってから決めたい」という方には、先ずは簡易査定をしてみることをおススメします。

もちろん、あくまで簡易査定は概算なので、簡易査定で算出された値段と実地査定の差が乖離することもありますので、参考程度に留めておいてください。

不動産会社が実際にマンションに訪問して査定する場合、出来るだけ高く査定して貰いたいと売主が思うのは当然ですよね。

それでは、不動産会社が実施する実地査定は、どのようにして査定がされるのでしょうか?

不動産会社の実地査定で調べられるのは、マンション室内の状況(痛み具合やリフォームの必要性など)、共用部分の状況、外壁など建物の状態、方位、カド部屋かどうか、日当たり、眺望などの立地条件に加えて、公共機関との距離などの周辺環境、交通の便や買物の利便性などです。

マンション査定の具体的な調査には以下のような項目が挙げられます。

1)マンションの立地:方位、日当たり、風通しの良さ、眺望、土地の形状、間口と奥行きの割合、道路幅、隣地との高低差など

2)マンション内外の管理状態:内外装のキズや汚れ、雨漏り、クラック、共用部分の状態など

3)マンションの周辺環境:騒音、臭気、高圧線、埋設管など

4)利便性:スーパー、最寄り駅、学校、役所までの距離など

5)その他設備、権利関係など:駐車場の有無、管理費、施設内設備、登記簿上の面積や権利関係、法的規制の確認など

一般的な実地査定では、上記の内容がマンション査定の評価項目になります。

最終的な査定価格は、これらの条件が総合的に判断され、周辺地域の販売事例での価格とあわせてマンションの査定価格が算出されます。

中古マンションの査定には様々な方法があります。不動産会社によっては、参考にするデータも異なるのですが、取引事例比較法によって中古マンションを査定する際、多くの不動産業者は不動産流通近代化センターが発行している「中古マンション価格査定マニュアル」を使用して査定をするケースが多いです。

中古マンション価格査定マニュアルは「宅地建物取引業者が宅地または建物の査定評価額を述べる際は根拠を明示しなくてはならない」という昭和55年の宅地建物取引業法改正に伴い、居住用ファミリータイプのマンションを対象として開発され実用化されました。

中古マンション価格査定マニュアルの査定方法ですが、査定をするマンション(査定マンション)と類似したマンションを過去の売買事例からピックアップします。(このピックアップしたマンションのことを事例マンションと言います)。

そして、査定マンションとピックアップした事例マンション、それぞれに査定シートの項目ごとの評価点をつけ、比較することによって事例マンションの売買価格を基に査定マンションの査定価格を算出することになります。

マンション価格査定マニュアルは、「最寄り駅からの距離」「周辺環境」「所在階」「室内の状況」「築年数」「向きと日当たり」「眺望」「管理状態」「設備」など23の評価項目から査定をすることになります。

もし査定を依頼したい方が、ある程度の専門知識を持っているのならば、中古マンション査定ツールを使用することによって、不動産会社の査定とほぼ同様の査定価格を算出することができます。

しかしながら、ここで注意しなければいけないのは、査定項目の採点は査定担当者の主観も入ってくるため、必ずしも全く同じ査定価格にはならないということに留意しておいてください。

不動産会社が利用する中古マンションの価格情報サービスは、これまで不動産業者のみに利用が限定されていましたが、現在では一般の人でも活用することができるようになりました。

これは、株式会社東京カンテイというマンション価格情報提供会社が実施しているものであり、Niftyを通じてサービスを提供しています。

そもそも東京カンテイは、約500万件の中古マンションの莫大な売買事例データーを蓄えており、不動産会社だけでなく、金融機関や公的機関にも利用されている日本で最大の居住用不動産のデータバンクです。

気になるマンション売出価格履歴を検索するマンション価格情報サービスの費用は、特定マンション1件当り3000円(税抜き)。

同一マンションの販売事例を過去に遡って最大20事例まで見ることができます。(サービスを利用するには、NiftyのIDとパスワードが必要です)

自分自身でこのサービスを利用するメリットは、特定のマンションやその周辺の売り希望価格、賃料を知ることによって、周辺相場や適正な市場価格が把握できる点にあります。

このように裏づけを取っておけば、実際の不動産業者の査定価格と東京カンテイでの結果を比較するなど、客観的な判断ができるようになることです。

自身自身が判断材料を持つことができるならば、不動産会社を選択する際にも、提示価格が良心的なものかなどを判断することにも活用することができます。

立地条件の利便性は中古マンションの査定価格・売却に影響が大きいです。

中古マンションはの売買は最終的には買い手との折り合いになるため、価格もさることながら、買い手にとって利便性のある希望エリアかどうかといった点も重要なポイントになってきます。

このなかでも交通機関の利便性はマンション選択の第一の選択要因といわれており、交通の便の良さはマンション査定の重要な評価項目です。


交通の便を査定するには、1)「最寄り駅までの交通手段」2)「徒歩またはバスでの最寄り駅までの時間」3)「バスを使う場合、バス停までの所要時間」4)「バスの運行頻度」などが評価項目となります。

利便性のなかには、交通の便だけでなく、近所の公共機関などへの時間も重要な評価項目となります。たとえば、学校、病院、役所、郵便局、スーパー、商店街、コンビニまでの距離、時間といった点が挙げられます。

利便性のよい立地条件はマンションの査定価格を上げる重要項目であると同時に、買い手がつきやすい、つまり売りやすいマンションの大切な条件でもあるといえます。

同一のマンションでも査定価格が多々あります。この理由としては、どのような評価項目が査定価格に影響しているのでしょうか。

築年の長いマンションなどでは同じマンションの売買事例がある場合が多いでしょうから、その際には、過去の売買事例に基づき査定されます。
加えて、室内の状況や、日当たり、眺望、階数などによって査定価格は異なります。

例えば、高層マンションならば、階数が高くなればなるほど基本的には査定価格も高くなります。逆に、エレベーターの無い中層マンションだと、2階や3階が人気になるため、高い階よりも高く査定される場合があります。

また、建物のの条件から分かる点としては、マンションの向きも査定ポイントになります。中古マンション価格査定マニュアルでは南向きマンションに比較すると、西向き、東向きはマイナス5%、北向きはマイナス10%、南向きの角部屋はプラス5%の評価になっています。

つまり、賃貸住宅を借りる際の家賃と同じように、日照時間が長く、風通し、眺望も良い南方向最上階の角部屋は、人気も高いため、査定評価も高くなります。
ただし、査定はあくまで買い手があっての話ですから、マンションの需要の状況や時期などによって、査定価格も変わってきます。

マンションの建物としての条件から明確に分かる点として、マンションの築年数が挙げられます。それでは、このマンションの築年数は査定価格にどのくらい影響するのかをご説明します。

不動産流通近代化センターの中古マンション価格査定マニュアルでは、 マンションの築年数15年までは、築年数1年につき−1.5%が査定の評価基準 とされています。

築10年のマンションを基準に築年数が新しくなればなるほど1年につき 1.5%査定価格は上がり、築年数が古いほど1年につき1.5%査定価格は下がる査定評価方法が、不動産流通近代化センターの中古マンション価格査定マニュアルでは採られています。

さらに築年数16年〜20年では古くなるほど1年毎に−2.0%、築年数21年以上では1年毎に−2.5%加算されていきます。

築1年(築10年に+13.5%)
↑1年毎に+1.5%加算

築10年(0.0)
↓1年毎に−1.5%加算
築15年(築10年から−7.5%)
↓1年毎に−2.0%加算
築20年(築10年から−17.5%)
↓1年毎に−2.0%加算

上記の築年数による査定評価から見ていくと、マンション買い替えを計画する場合には、築年数10年以内の方が高く売却できる可能性が高いので、資金計画も余裕を持って策定できるということが言えます。

加えて、近年では、頻発する地震や耐震偽装問題などの発生によって耐震基準が関心を集めています。
このため、単純な築年数だけでなく、新耐震基準が施行された1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けたマンションなのかどうかといった点も、単なる築年数だけではなく、査定価格に影響を与える要素となります。

中古マンションの売却をする一連の流れをこれからご説明していきます。

もし現在住んでいるマンションを売却して、次の家を購入する買い替えの場合には、現在のローン残債額を把握した上で、マンション売却の費用や銀行への支払いなどのタイミングと金額を考慮し、資金計画を立てて行くことが必要です。


(1)マンション価格の相場を把握する
自宅マンションの査定を不動産業者に依頼する前にでも、ある程度の相場は調べておいた方がよいです。Yahoo不動産などでも、近所の自分のマンションと似たような物件を探しておき、不動産会社の査定額に大幅な違いがあるのかどうかなどを把握しておきましょう。

数社の不動産業者に問い合わせをすると、過去の売買事例などを基に簡易査定をして貰えます。(但し、あくまで簡易査定なので、いずれにしましても実地査定が必要になります)

他の方法としては、東京カンテイがNiftyで提供している売買事例を有料で閲覧するといったことも手です。

(2)不動産業者に実地査定を依頼する

通常は仲介を依頼する不動産会社をあらかじめ決めているということはあまりないでしょうから、先ずは数社の不動産会社に、自宅マンションの実地査定を依頼してみましょう。
不動産業者によっては、査定方法や重視するポイントも微妙に違ってきますので、複数の不動産会社に依頼することが基本です。

(3)売り出し価格を決め、不動産業者と媒介契約を結ぶ

不動産業者の実地査定によって割り出した査定価格を参考にして、希望売却価格と併せて、売主が売り出し価格を決定します。

不動産業者の選定ポイントとしては、業者の査定価格、査定までの対応、査定根拠、担当者の態度などを考慮して決めるしかありません。一般媒介契約ならば複数の不動産会社に仲介を依頼することが出来ますが、専属専任媒介契約や専任媒介契約ですと1社のみと契約することになります。

不動産業者と取り交わす媒介契約には専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類から選択するのが一般的で、不動産会社との契約期間は3ヵ月が通常のパターンです。

(4)マンションの売り出し開始及び売却活動
媒介契約の種類や不動産会社の販売方法によっても異なりますが、媒介契約を結んだ仲介業者は、Reinsなどの不動産ネットワークやリクルートの住宅情報誌、チラシなどの広告媒体を使ったりして、売却活動を開始します。

この際には、不動産会社が抱えている自社の顧客に連絡したり、内覧を実施するなど、マンションの広報宣伝活動を開始します。

売却活動が始まると、業者は購入検討者をマンションに連れてくることになります。

売却活動すべてを業者任せにせず、売却は縁ものですから、物件案内の際には丁寧な対応を購入検討者にすることは礼儀としても必要です。

加えて、掃除、換気などをして、少しでも好印象を与えて少しでも高く売れるための努力をしましょう。

長期間売却できない場合には、もしかすると積極的に不動産会社が売却活動をしていなかったり、売り出し価格を下げたりすることが必要になってきます。
または、媒介契約の方法を変更するといったことも一つの手です。
(専任媒介契約から一般媒介契約に変更する、あるいは業者を変えるなどといったことです)

(5)購入希望者と条件交渉する

マンションを気に入った購入希望者が現れた場合には、その購入希望者と仲介業者を通じて、購入希望価格や代金の支払い方法、物件の引渡し期日などの様々な条件交渉をします。

これが兎角、縁モノと言われる部分にも含まれてくるのですが、いくら良い条件で買いたいという人が現れても、どうしても売りたくないといった場合もあります。(後々の売主の瑕疵担保責任などで、揉めそうだなど)

基本的には、売り手が条件を承諾し売却を決定した場合は、売買契約を結ぶ日時と場所を決めることになります。

(6)売買契約を結ぶ

売買契約を締結する前には、最終確認として、売主・買主の双方が立ち会いエアコンなどの付帯設備の処理や瑕疵があった際の処理方法など、売却後のトラブルを防止ための重要事項説明が仲介業者を介して実施されます。

売主・買主双方が重要事項説明に納得し、買主から手付金(売買価格の10%が目安)を受け取り、売買契約書を取り交わすことで売買契約が成立します。

(7)物件の引渡し

手付金の残りの売買代金を買主から受け取ったら、いよいよ物件の引渡しになります。

自宅に抵当権が付いている場合には、金融機関に住宅ローンの解約を申し出て残債を返済して、抵当権を抹消して物件を引き渡すことになります。

一般的には買い主から受け取った売買代金を残債に充てて、抵当権を抹消します。

この時、仲介業者に支払う仲介手数料の半額と抵当権抹消のための登記費用などが必要になります。

もし、マンション売却によって売却益が発生した場合には、所得税・住民税などの税金を納める必要もあります。

中古マンション査定NAVI

中古マンション査定NAVI:中古マンション査定に必要な知識を簡単にご説明します。中古マンションの査定を依頼するのは、何と言っても初めてのことばかり。どのようなポイントを押さえれば、中古マンション査定を成功に導けるのかを徹底検証します!


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